「走れメロス」について
2010年05月25日
皆さん、「走れメロス」を読んだ事があるでしょう。殆どの中学2年生の教科書単元にも含まれていますね。
この作品は、随分と昔から掲載されています。そして教科書が改訂されても、残り続けています。
メロスの正義感・友人セリヌンティウスとの信頼関係・それに伴う暴君ディオヌスの心情の変化がピックアップされることが多いでしょうが、他にも、「走れメロス」を学校の授業を通して生徒の皆さんに伝え続けたい理由があります。
世に発表された当時、「走れメロス」ほど人間の身体表現が細部にわたって描かれた作品はありませんでした。かつ、それを強調する手段として、作者は敢えて日本人にとって身近でない時代・空間設定に当てはめました。
(例えばですが設定を日本国内・現在にした場合、読み手にとって素朴な疑問が生まれ易くなってしまい、描かれた身体表現を純粋に感じにくいのでは、と考えます。)
時間軸・空間軸をずらすことで、現実感から離れたところで表現の美しさに集中が出来、作品を堪能することが出来るのですね。
(同じような事が、中上健次の「岬」・「枯木灘」・「地の果て至上の時」の三部作でも行われています。設定を紀伊地方での物語にすることで、空間のズレ故の身体感覚・描写の際立ちが現われます。)
この説のもとでもう一度、「走れメロス」を読んでもらうことを希望します。
そして新しい発見をしてみてください。
今日も頑張っていこう!!by 家庭教師のジャンプ(東京支部)

